複数のレイヤーマスクを駆使する


 ここでは当社が行なっている、コントラストの補正や色調・彩度補正をご説明します。
 まずはコントラストの調整をします(データはすべて16ビットのデータで補正していきます)。右のBefore写真を見るとわかるように、手前の建物に比べ遠景のものはコントラストが低下しています。しかし、手前から奥に行くにしたがって単純に段階的にコントラストが低下しているわけではないので、グラデーションのマスクを何枚か作り、特定のエリアのコントラストを上げて暗部がしまるようにしています。
 次に、明るさを補正します。近景の建物が逆光のため多くの面積が暗くなってしまっています。そこで、近景のみ暗部を明るくする補正をしています。
 最後に、全体に色調補正と彩度補正をしています。最終出力の形態がわかっているときは、最後にアンシャープネスマスクフィルターをかけます。
 また、納品時は扱いやすいように8ビットに変換しています。プロファイルは原則的はsRGBです。ご要望に合わせて、16ビットのままでも、あるいはAdobe RGBなど他のプロファイルにかき出すことも可能です。

Before
撮影したままの状態。
After
補正加工した写真。

図1
全体の明るさとコントラストを把握する
 まず最初にデータの輝度情報の分布を見てい きます。遠景だけを選択して輝度情報を見ると、図1のヒストグラム(輝度情報の分布)を見てもわかるように、全体的に明るいほうにデータが偏っていて、暗部のない白っぽい画像になっ ていることがわかります。逆に、図2のように近景だけ選択して輝度情報を見ると、全体にコントラストの分布がよく、しっかりしたデータであることがわかります。しかし、メインとなる右側の建物がシャドウ側になるため少し補正しないと、メインの建物が暗い感じがします。
図2
グラデーションマスクで遠景のみ選択し補正する

 この場合には遠景だけ選択するグラデーションマスクを8枚作りました。赤く反転している所が選択されている範囲です。スペースの関係でここでは3枚だけ載せましたが、遠景になるほど極端に暗部がなくなるので、これを上手に選択するため複数のフラデーションマスクが必要になります。
 選択したら、そのエリアだけをコントラストの補正をかけながら暗部を作っていきます。この作業を何度か繰り返し、違和感がないように遠景を補正していきます。ここでは富士山の描写がよく出るように気をつけて補正しています。

メインの建物の暗部を明るくする

 逆光のためメインとなる建物の暗部がツブレ気味ですし、建物の左側はハイライトで飛び気味になっています。まず、近景のエリアだけを選択して補正します。メインの建物の暗部のみを明るく補 正していき、また、建物の左側のハイライト はこれ以上飛ぶと困るので、少し暗く補正します。

彩度をコントロールする

 彩度を上げて全体的に鮮やかにします。このほうが印象がいいですが、やり過ぎは禁物です。彩度を上げる程度は利用するサイズにもよりますが、あくまで記憶色を強調する意味で補正します。補正自体は全体にかけることもありますし、特定の色だけを選択することもあります。
 この後で、最終納品形態に合わせて、sRGBかAdobe RGBかにプロファイルの変換をし、取り扱いが楽なように8ビットに変換します。納品ファイル形式は原則的にはJPEGで圧縮率の最も少ないものにしていますが、TIFF、EPS、 Photoshopデータなど、ご要望に合わせて変換いたします。

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